革製品を買おうと思っているあなた!
実は一言に革といってもいろんな種類、製法、仕上げ方があるのはご存知ですか?
もし知らずに、ただ革ならいいと考えて購入しようと思っているならちょっと待てください。
後悔するかもしれませよ?
皮革製品の組成表示は牛革・馬革・羊革などのおおざっぱな革の種類しか記載されていません。
しかし、革には様々な製法や仕上げ方法、着色方法があります。
すべてを一括りに”牛革・馬革・羊革”と表記するのはとても不親切なのです。
革がクタクタになってきた。不良品?
となってしまいます。
また、高い製品を買ったのに色落ちしたり、ひび割れたりすることもあります。
革製品を購入後にがっかりしない為にも革の特性を知り、納得いく物を購入しましょう。
このサイトでは、あなたにふさわしい皮革の見分け方を伝授します!
皮革を見極める3つのポイント
皮革を見るにあたって大きく3つのポイントがあります。
鞣し方
そもそも鞣なめしとは?
”なめし”とは皮が腐らないように加工すること。
「皮(skin)」を「革(leather)」にする作業のことです。
動物から剥ぎ取っただけの「皮」は放置すると腐敗し、素材としては使えなくなります。
「皮」から毛や肉を取り除き、製品として使える「革」することを”鞣す”と言います。
タンニンなめし
植物の樹皮や幹、実、葉などから抽出したタンニン(渋)を使用した鞣し方です。
タンニンなめしの歴史は古代エジプト時代にまで遡り、最も古い製法です。
タンニン鞣しの特徴
- 鞣しに数か月~1年程度要し、手間と時間がかかる。
- 革の伸び、弾性が少ない。
- 可塑性かそせい(変形する性質)が優れている。
- 日焼けや渋の発色によって色が変化する。経年変化を楽しめる。
- 製造コストがかかり、高価な物が多い。
- 革を絞ると、ギュッギュッという音がする。
クロムなめし
塩基性硫酸クロム(三価クロム)を使用した鞣し方です。
1884年から実用化された新しい製法です。
クロム鞣しの特徴
- 鞣しが短時間で済み、短時間に大量に生産できる。
- 染色性、耐熱性、柔軟性、保存性、に優れている。
- 柔らかく軽いため、衣料品、靴の甲革などで使われることが多い。
- 経年変化が穏やか。
コンビネーションなめし(複合なめし)
クロム鞣し後、タンニン鞣しで再鞣しをすることで単独の鞣しでは得られない多様な特性を付加したり、単独なめしの欠点を補ったりできます。
ちょうど半分ずつ鞣すのではなく、どちらかが優位になるように鞣されることが主です。
現在最も注目されているなめし方です。
タンニン・クロム鞣しの見分け方
タンニン鞣し | クロム鞣し | |
エイジング | 色が深く濃くなる | ほとんど変わらない |
質感 | 硬い、しっかりしている。 | 柔らかく軽い。柔軟性がある。 |
キズ | 付きやすい。指で擦れば目立たなくなる。 | 傷が目立ちにくい。 |
最も簡単な見分け方は”経年変化(エイジング)で色が濃くなっていくのか?”です。
公式ページにエイジングについて記載があればタンニンなめしです。
コンビネーション鞣しについては鞣しの割合も様々ですので見分けは困難です。
着色方法
皮革を希望の色に着色する方法はいくつかありますが、大きく分けると下記の3つです。
顔料仕上げ
ペンキの様に素材の表面を色を乗せる着色方法です。カバリング仕上げとも言います。
表面を塗料で覆ってしまうので、革の経年変化が見えにくくなります。
新品時の美しさが長く保たれる着色方法です。
顔料仕上げの特徴
- 新品時の状態が長く保てる。
- 高級ブランドで多く用いられる。
- ムラの少ない均一な着色ができる。
- 鮮やかな色でも着色できる。
- 表面が割れてくる事がある。
染料
皮革の繊維に染み込ませて着色します。
革の表面を隠さないので、革の風合いを楽しめます。
革の繊維密度によって染まり方が変わるので新品時からムラがある場合もあります。
経年変化(エイジング)が分かりやすい着色方法です。
染料仕上げの特徴
- 傷の少ない高級な革に用いられることが多い。
- ビビッドカラーは少ない
- 色落ち、色移りしやすい。
- 経年変化(エイジング)を楽しめる。
- 銀面の特徴が活きる。…後記します
素上げ革
着色を全くせずに革本来の色を活かした革のことです。
素上げ革の特徴
- ベージュ色/薄橙うすだいだい色
- 経年変化を最も楽しめる。
- 傷の少ない高品質な革に用いられることが多い。
銀面の有無
銀面とは、表皮や体毛を取り除いた真皮の表面のこと。
革の主が生前につけたキズ、ホクロ、血管、シワ、毛穴などの革の風合いが残っているのが特徴です。
銀面あり
染料仕上げ、素上げの場合に見られます。
革らしさを楽しみたい方に向いています。
質の良い皮革は銀面を活かしたものが多いです。
銀面なし
顔料仕上げの場合、塗料を表面に乗せるので銀面が見えません。
革らしい風合いを楽しみたい方には不向きです。
傷の多い革の場合は銀面を隠すような加工をしている場合が多いです。
当サイトでは革の風合いを残し、経年変化を起こしやすい製品をおすすめしています。
自分だけの表情になり革と共に成長していく楽しみを感じてもらいたいのです。
なぜ国産ブランドに限定するかというと、日本ブランドは日本人向けに作っているからです。
海外と日本ではお札の大きさが違ったり、生活スタイル/習慣が違うので日本製がおすすめなのです。
製品ごとのおすすめブランド
日本製革財布のおすすめブランド
キプリス
技術・品質にこだわるならキプリスで間違いありません。
「百貨店バイヤーズ賞」を10年連続受賞の実績!
『一生愛せる本質的価値のあるものづくり』を基本理念に最高品質の革製品を作り続けています。
ココマイスター
ココマイスターで使われる素材の殆どが欧州の皮革を使用し、その中でも非常に芸術性が高い素材を選定しています。
唯一無二、独創的な世界観が、数多くの紳士を魅了しています。
色展開も多く女性からの支持も厚いです。
ジ・ウォームスクラフツ-マニュファクチャー日本を代表するタンナー「新喜皮革」のコードバンだけを使ったブランドです。
ブランドの母体が新喜皮革なので、非常に質のいいコードバンを入手できるのも特徴です。
原皮調達からなめし、染色加脂、仕上げまで一貫生産する世界的にも稀なブランドです。